☆セイリオス殿下の真実が公表されるとき。

 秘密が秘密でなくなり、公然の事実となるとき、ローゼンベルクの命綱である姫様は他国へと嫁がれることがほぼ既定路線ですから頼りにできません。
 シオン様をあの手この手でつけねらうミリエール嬢はむしろ、父君の事は抜きにして、ローゼンベルク家の現当主でり、かつ、クライン王家第三位後継者であるラグナ・ローゼンベルク様との関係を修復させて、カイナス家への危機感を募らせていったほうが良いとも言えるのです〜。
 かくなる上でのローゼンベルク家にとって、もっとも有効的な一手と目されるのは、ミリエール嬢が見事、セイリオス殿下の心を射止めることでしょうか。
 
 カイナス家がセイリオス殿下の秘密を知っていて、行動を起こしているのかどうかは、本当は、よくわかりません。
 そんなこととは関わりなく、シオン様とは別路線で、カイナス家のご子息たち―シオン様の兄君―が宮廷でご活躍なされていますから〜。
 陛下とマリーレイン様との間の、亡くなった赤ん坊のかわりにセイリオス殿下を用意したのが何者であれ、カイナス家がそれをどのようにかして知ったにせよ、知らないにせよ、大貴族というのは常に将来的な戦略をもって次代の宮廷政争をすでに闘っていると言うことだけは、みなさんも知っておいてください〜。

貴方も判って下さいまよね〜貴方も判って下さいまよね〜