プロローグ
 さて、既に斜陽化した。と、いうよりはっきりきっぱり衰退滅亡寸前の神百合の宇宙には、宇宙の意志をサクリアという力として受け継ぐ女王様と補佐官。そして9人の守護聖と呼ばれる宇宙のあらゆる要素と力を司る方々がおられます。
 衰退する宇宙を必死に支える現女王は才女と名高いポンパドール様、日々重圧を抱える女王様を支える補佐官は。癒し系のデュバリー様。
 女王を守る守護聖は、最年少で命のサクリアを司る緑の守護聖ルイ・ジョセフ様。
 美のサクリアを司る夢の守護聖サン・ジュスト様。
 英知のサクリアを司る地の守護聖はロベスピエール様。
 技術と器用さのサクリアを司るのは鋼の守護聖アラン様。
 勇気のサクリアを司る熱血漢は風の守護聖ベルナール様。
 優しさのサクリアを司る水の守護聖ジェローデル様。
 思い込んだら命懸け。強さの権化炎の守護聖フェルゼン様。
 そして、守護聖を纏める二柱の筆頭守護聖は、安らぎのサクリアを司る闇の守護聖アンドレ様と。
 正に燦然と輝かんばかりに神々しい、誇りのサクリアを司る光の守護聖オスカル・フランソワ様。
 若干一名に疑問符はつくものの、皆様実に麗しく、克つ凛々しい方々でございます。
「若干一名って誰の事だ?」
 おやおや、これは鋼様。別に器用さが売りの割には性格不器用な方だとは一言も申してはおりませんよ。
「言ってるじゃねえか! だいたいてめぇは何者だ?」
 これは申し遅れました。
 聖地における情報伝達担当、お手紙妖精システムを管理統括します、エリザベートですわ。お見知りおきを。
「出歯亀妖精の元締めかよ」
 嫌ですね人聞きの悪い。貴方が聖地中にこっそり設置した監視カメラよりマシでしょう?
「ば!防犯だ防犯!第一カメラは屋外だけじゃねえか!」
 宇宙滅亡を目前に、あちこちきな臭いですからね。
「おうよ」
 光様の通り道にやたらと多いのは、この際指摘しないということで。
「言ってるじゃねえか!」
 さて、漫才をしている間に宇宙が滅亡してはいけません。
 早々に物語を始めましょう。


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