難民と軍
難民を受け入れる場合、受け入れ側、難民側共に問題をかかえている。
費用  難民のほとんどは、着の身着のままであり、新天地で生活できるための貯えをもっているものはほとんど無い。
 彼らを食べさせ、新たな職に就かせるのには、多大な費用がかかる。現在、そのような費用を負担できる国は、全く存在しない。
 また、難民が安く仕事を請けることで、国内の経済が混乱する 。
 カダローラ王国ならば、多少の難民なら受け入れ可能なだけの豊かさがある。
 しかし、大陸からカダローラまでの航海費用を考えると、カダローラに脱出できる者は、ほとんどいない。
経済混乱  難民がやってきて人口が増えても、突然仕事の口が増えるわけではない。どうしても失業者が生まれる。
 難民は、食べるために、その国の人民よりも安く仕事を請けることが多い。すると、国民がクビになってしまう。
 難民を受け入れたことで、自国民の失業が増えたのでは、到底難民を受け入れる状況は産まれない。
治安維持  金もろくな食べ物もない難民は、容易に暴徒化し犯罪を犯す。そうしなければ、食べ物にも事欠くのだから当然。
 難民を受け入れて治安が悪くなったのでは、世論は難民を追い出すほうに傾くのが必定だ。
 このような、難民の問題点を一挙に解決する方法として、ダイナスティ連合では、難民の家族に兵役を課している。
 難民を計画的に受け入れ、一時滞在許可を発行する。  その代わりに、1家族あたり最低1名以上、兵役に就くことを求める (特別な技能の持ち主は、その技能を発揮できる国の職務に就くことで兵役に代えることも可能となる)。
 その兵役が終了した家族(戦死者は兵役が終了したものと見なされるし、恩給も出る)のみが、ダイナスティの国民となることができる。
 もちろん、命令拒否や敵前逃亡などをした兵士の家族は、即座に連合から放逐されることは言うまでもない。
 このようなシステムを採用することで、問題点のかなりの部分が解消される。
給料が払える  難民を兵士にすれば、兵士としての給料を払うことができる。給料を払えば、難民に援助を行う必要がなくなる。
 さらに、連合からの援助物資で暮らしている状態(言わば他人の情けにすがっている状態)に比べ、難民の自尊心も満足できる。
経済の安定  軍隊は、消費するだけの組織である。そのため、どれだけ人数がいても、生産過剰になったりすることはない。
 よって、自国民の職場が難民によって奪われるということはない。
 さらに、徴兵などによって、熟練労働者が軍隊に取られてしまい生産効率が落ちるなどといった事態も起こらない。
治安の安定  犯罪を犯さずとも生活できるのだから、犯罪者の発生率は大きく下がる、さらに、犯罪を犯したならば危険になりうる成年男子(16〜40才くらい)は、兵士になってしまう。  このため、強盗殺人などのような犯罪は起こりにくくなる。
 また、家族の誰かは軍にいる(つまり、その所在を完全に把握されている)状況では、残りの家族も、逃亡するのが難しい。
 これらの理由により、犯罪も発生しにくくなる。
難民の子弟を集めたダイナスティ師団は、上記の理由などもあって、必死で戦うので精強な師団として名高い。
 しかし、上記の理由は、表向きの理由である。真の理由は他にある。
 真の理由は、メイフライ議長が、自分の子飼いの軍隊を作るためであった。
 もしも、連合内の国家が反逆したらどうなるだろう。例えば、トライラが連合を裏切ってインペリウムにつこうと考えたならどうなるか。
 連合軍内のトライラ師団は、確実に連合ではなくトライラ王国側につくだろう。
 また、他国の師団は、インペリウムの脅威を感じ、連合軍に拠出している師団を、自国に戻そうとする可能性が否定できない。
 そうなると、連合自身の兵力がどうしても必要になってくる。そこで作ったのが、難民による連合直属の軍である。
 難民は、連合の国民ということになっており、特定の国家の国民ではない。
 つまり、連合が瓦解すると、難民たちは再び追い出されることになるのだ。難民が連合の維持に必死になるのも、当然だろう。

連合諸国家の守備軍
 連合諸国家が、自国防衛のためにおいてある軍備である。
 連合に提供している軍の1.5倍から2倍の規模を、自国防衛に残していることが分かる。
 つまり、連合諸国は、インペリウムのような大きな敵以外なら、基本的には自国防衛は自分でできる。
国名 守備軍 連隊数 旅団 連隊数
ノーザンアングル 第2師団(約10000人) 3連隊 第1旅団 2連隊
トライラ 第2師団・第3師団(各軍約10000人) 各軍3連隊
マイエル 第2師団(約10000人) 4連隊
ロージナ 国防軍第3師団・国防軍第4師団
国防軍第5師団(各軍約10000人)
各軍3連隊
アイル 第1旅団・第2旅団 各軍2連隊
アジリア 第2師団・第3師団(約10000人) 各軍3連隊
サウド 第2師団第3師団(各軍約10000人) 各軍3連隊 第2旅団(約6500人) 2連隊
ナミル 第2旅団・第3旅団(各軍約6500人) 各軍2連隊